#interview#career#japan

日本のテック企業の面接でよく聞かれる質問トップ20(回答例付き)

日本のテクノロジー企業で頻出する面接での質問と、シニアソフトウェアエンジニア向けのSTARメソッドを用いた具体的な回答例をご紹介します。

August 28, 202516 min read
日本のテック企業の面接でよく聞かれる質問トップ20(回答例付き)

日本のテクノロジー企業でよく聞かれる20の質問を、シニアソフトウェアエンジニアの視点から作成した回答例とともに紹介します。状況に応じて、具体的なエピソードを構造化して説明するための「STARメソッド」(Situation, Task, Action, Result)も活用しています。

1. 自己紹介をお願いします。

回答例: 私は10年以上の経験を持つシニアソフトウェアエンジニアです。専門は、スケーラブルなバックエンドシステムとクラウドアーキテクチャの設計・構築です。前職のAmazonでは、複数の部門を横断するプロジェクトをリードし、パフォーマンス最適化、システム設計、若手エンジニアの育成などに貢献してきました。

2. なぜ日本で働きたいのですか?

回答例: 私は以前から、日本の「ものづくり」における職人気質や、細部へのこだわりを尊敬していました。エンジニアとして、多言語・多文化が共存する環境で、グローバルな製品開発に挑戦できる点に大きな魅力を感じています。また、日本のテクノロジー市場、特にSaaSやB2B領域における今後の成長性にも期待しています。

3. なぜ現在の仕事を辞めようと考えているのですか?

回答例: 現職(Amazon)では多くのことを学びましたが、今後はより大きな裁量権を持ってプロダクトに関われる環境に身を置きたいと考えています。より小規模でスピード感のあるチームで、日本市場向けの製品戦略やローカライゼーションに直接貢献したいです。

4. これまでで最もチャレンジングだったプロジェクトについて教えてください。

回答例(STAR):

  • S (Situation/状況): Amazon在籍時、リージョントラフィックの40%を処理するレガシーシステムのリファクタリングプロジェクトを主導しました。
  • T (Task/課題): 目標は、ピークシーズンのトラフィック増加に対応するためのスケーラビリティ改善と、レイテンシの削減でした。
  • A (Action/行動): 5名のチームを率いて負荷テストを導入し、マイクロサービスアーキテクチャへの再設計を行いました。
  • R (Result/結果): 結果として、レイテンシを35%削減し、ピーク時においても99.99%の可用性を達成しました。

5. あなたの強みは何ですか?

回答例: 私の強みは、システム設計、コード品質の担保、そしてチーム間の円滑なコミュニケーションです。特に、分かりやすいドキュメントを作成する能力や、技術的な内容を非エンジニアにも平易に説明する能力は、同僚からも高く評価されています。

6. あなたの弱みは何ですか?

回答例: キャリアの初期には、時に過剰な設計をしてしまう傾向がありました。経験を積む中で、まずはMVP(Minimum Viable Product)を迅速にリリースし、ユーザーからのフィードバックを元に改善を重ねるアプローチの重要性を学びました。

7. チームメンバーと意見が対立した経験はありますか?

回答例(STAR):

  • S (Situation/状況): Amazonでの設計レビューの際、新しい分析機能でNoSQLとSQLのどちらを採用するかで、チームメイトと意見が対立しました。
  • T (Task/課題): タスクは、その機能に最適なデータベースを選択することでした。
  • A (Action/行動): 私は、実際のトラフィックパターンを想定したベンチマークテストを行い、両アプローチの性能を客観的に比較することを提案し、その結果をチームに共有しました。
  • R (Result/結果): 最終的に、両方の長所を活かしたハイブリッド構成を採用し、プロジェクトを予定より2週間早く完了させることができました。

8. 失敗から学んだ経験について教えてください。

回答例(STAR):

  • S (Situation/状況): 数年前、深夜に緊急のホットフィックスをデプロイした際、QAチームへの事前通知と、一時的な監視設定を怠ってしまいました。
  • T (Task/課題): 軽微な修正だと軽視し、標準のデプロイ手順を省略してしまったのです。
  • A (Action/行動): その結果、数時間後に下流システムで互換性のないエラーが急増しました。私は即座にロールバックを主導し、関係者に状況を報告、SREチームと連携して問題解決にあたりました。その後、インシデント報告書を作成し、デプロイチェックリストの改善を提案しました。
  • R (Result/結果): この失敗を教訓に、自動ロールバック機能の導入や、緊急時でもカナリアリリースを必須とするルールを設け、デプロイの安全性を大幅に向上させました。この時に作成したチェックリストは、現在もチームの標準作業手順書(SOP)として活用されています。

9. プレッシャーにどう対処しますか?

回答例: プレッシャー下では、徹底した優先順位付け、達成可能な短期目標の設定、そして密なコミュニケーションを心がけています。Amazonのピークシーズンにおける負荷テストや障害対応は常に高いプレッシャーが伴いますが、そうした経験を通じて、冷静さを保ち、一つずつ着実にタスクをこなすことの重要性を学びました。

10. 若手エンジニアをどのように指導しますか?

回答例: ペアプログラミングやアーキテクチャの解説、設計ドキュメント作成の指導などを通じて、彼らの成長をサポートします。また、コードレビューや四半期ごとの目標設定の場で、継続的なフィードバックを行うことも大切にしています。

11. システムのパフォーマンスを改善した経験について教えてください。

回答例(STAR):

  • S (Situation/状況): 以前担当していた請求システムでは、月末のバッチ処理が頻繁に遅延していました。
  • T (Task/課題): 私のタスクは、この処理時間を短縮し、システムの信頼性を向上させることでした。
  • A (Action/行動): クエリを分析してインデックスの最適化を行い、主要な処理を並列化、さらに新しいインスタンスタイプへ移行するなどの改善策を実施しました。
  • R (Result/結果): 結果、処理時間を60%削減し、その後半年間、バッチ処理の失敗は一度もありませんでした。

12. チーム内の対立をどのように解決しましたか?

回答例(STAR):

  • S (Situation/状況): あるプロジェクトで、2人のシニアエンジニアが監視システムの技術選定を巡って意見が対立していました。
  • T (Task/課題): 重要なインフラのリリースを控えていたため、私が間に入って意見を調整する必要がありました。
  • A (Action/行動): 私は両者の意見を聞く場を設け、過去の障害データなどを客観的な根拠として提示し、両方の技術の良い面を取り入れたダッシュボードのプロトタイプを作成しました。
  • R (Result/結果): 最終的に、双方の利点を活かした統一ソリューションを実装することで、合意形成に至りました。

13. どのように新しい技術を学んでいますか?

回答例: 技術ブログの購読、GitHubでのOSSプロジェクトのフォロー、社内外の技術カンファレンスへの参加、そしてサイドプロジェクトでの新しいツールの試用などを通じて、常に最新情報を得るようにしています。

14. 部門横断チームを率いた経験はありますか?

回答例(STAR):

  • S (Situation/状況): Amazon在籍時、PM、QA、インフラ担当者を含む部門横断チームを率いて、新しい社内向けデバッグプラットフォームを開発しました。
  • T (Task/課題): 課題は、6つの異なるマイクロサービスにまたがるデバッグプロセスを統一することでした。
  • A (Action/行動): 私はMVPの要件を定義し、関係者と協力してスケジュールを調整、そして定期的にデモを行う2週間スプリントで開発を推進しました。
  • R (Result/結果): このプラットフォームの導入により、障害の平均解決時間(MTTR)を25%削減し、開発者からの満足度も大きく向上しました。

15. 要件が曖昧な場合、どのように対応しますか?

回答例: 要件が曖昧な場合は、まず関係者へのヒアリングを重ねて不明点を積極的に解消します。そして、ユーザーストーリーを用いてエッジケースを洗い出し、前提条件をドキュメントに明記します。まずは最小限の機能(Thin Slice)を迅速にリリースし、フィードバックを得ながら改善していくアプローチを好みます。

16. 技術的な問題で行き詰まったときはどうしますか?

回答例: 技術的な問題で行き詰まった際は、まず問題を特定の範囲に切り分け、確実に再現できる状況を作ります。それでも解決しない場合は、闇雲に時間を費やすのではなく、チームメイトとペアプログラミングをしたり、関連する設計書を再確認したり、Stack OverflowやGitHubで類似の問題を探したりと、効率的に解決策を探します。また、他の人が協力しやすいように、それまでに試したことや調査した内容を必ず記録に残すようにしています。

17. 不完全な情報で意思決定をした経験はありますか?

回答例(STAR):

  • S (Situation/状況): システム障害が発生した際、まだ根本原因(RCA)が特定できていない状況で、迅速なサービス復旧が求められました。
  • T (Task/課題): レイテンシが増加するリスクはありましたが、バックアップリージョンへフェイルオーバーすべきかどうかの判断を迫られました。
  • A (Action/行動): 私はSREチームと協議し、直近のシステムメトリクスを確認した上で、フェイルオーバーを実行する決断をしました。
  • R (Result/結果): 結果、30分以内にサービスを部分的に復旧させ、ユーザーへの影響を最小限に食い止めることができました。この判断は、後のインシデントレビューでも正しかったことが確認されています。

18. スピードが求められる環境で、どのようにコードの品質を担保しますか?

回答例: 信頼性の高いCI/CDパイプラインの構築、質の高いコードレビュー文化の醸成、そしてユニットテストや結合テストの徹底によって、品質を担保します。また、品質が「誰かの仕事」ではなく、チーム全員の責任であるという文化を育むため、コードのオーナーシップを明確にすることも重要だと考えています。

19. ドキュメンテーションに対するあなたのアプローチを教えてください。

回答例: 私のドキュメンテーションに対するアプローチは、まずアーキテクチャ設計書を事前に作成し、SwaggerのようなツールでAPI仕様を管理、そしてREADMEを常に最新の状態に保つことです。新しいメンバーのオンボーディングのためには、社内Wikiに情報を集約したり、コードの解説動画を作成したりすることもよくあります。

20. 複雑なコードベースに新たに参加した経験について教えてください。

回答例(STAR):

  • S (Situation/状況): Amazonに入社した当初、毎日数百万リクエストを処理する決済サービス開発チームに配属されました。
  • T (Task/課題): フィンテック領域は未経験でしたが、1ヶ月以内にチームに貢献することが求められました。
  • A (Action/行動): 私はまず、運用手順書(ランブック)を読み込み、ログを追いかけ、先輩エンジニアの作業を見学することから始めました。また、システムの主要なワークフローを理解するために、自分でシーケンス図を作成しました。
  • R (Result/結果): その結果、3週間で最初の機能をリリースでき、後にその時まとめた資料を使って、新メンバー2名のオンボーディングも担当しました。

このような情報をもっと知りたい方へ

日本でエンジニアとして働くためのメールマガジンやお得な情報を受け取りましょう。