英語が苦手な日本人エンジニアとどう働くか
日本でエンジニアとして働きたい方は、きっと「英語話者を受け入れる会社」に応募するでしょう。私たちのサイトでも、そうした企業を紹介しています。
ただ最初に知っておいてほしいのは、「英語歓迎」と謳っている日本企業でも、母国語が英語の人はほとんどいないという現実です。多くの社員は英語を第二言語として使っています。つまり、完璧な英語力を求められるわけではなく、コミュニケーションが取れれば十分なのです。
もしあなたが「英語はそれなりにできるけど、完璧ではない」と感じているなら、まずは応募してみることをお勧めします。なぜなら、実際の職場では思っているよりも多くの人が英語に完全に慣れているわけではないからです。
では、そうした環境で円滑に働くためのコツを見ていきましょう。
日本の英語環境の実情
多くの日本企業では、グローバルな人材と働く姿勢はあっても、社員全員が流暢な英語を話せるわけではありません。これは能力や努力の問題ではなく、教育と環境によるものです。
読み書き重視の教育背景
日本の英語教育は、長年にわたり文法や読解に偏ってきました。試験対策が中心で、スピーキングや発音練習はほとんど行われません。そのため「英語はコミュニケーションの手段」という意識が弱く、実践的な力が育ちにくいのです。

読み書き重視の英語教育
話す機会の限られた環境
日本は地理的にも言語的にも独立しており、日常生活で英語を使う場面は非常に少ない国です。さらに、人口が1億人を超えるため、多くの企業は国内市場だけで事業を成立させることができ、英語を使う必然性も限られている状況です。
完璧主義の心理
「正しい文法・正しい発音でなければ話してはいけない」という思い込みを持つ人は多く、結果として自信を失い、発話をためらってしまいます。まるで「一つのセミコロン抜けでクラッシュするコンパイラ言語」を扱っているように、少しでも間違えれば頭の中のアプリケーションが止まってしまうような感覚です。
そのため、多くのエンジニアは英語の技術文書を読んだり、コードにコメントを書いたりはできても、会議や日常会話でスムーズに話すのは難しい場合があります。
多様な英語レベルの同僚と働くための 5つのヒント
実際の職場では、英語のレベルが様々な人たちと一緒に働くことになります。以下のコツを活用して、誰もが参加しやすい環境を作りましょう。
1. シンプルな英語を使う
難しい単語やスラングは避け、短く簡潔に話しましょう。これは英語が第二言語の同僚だけでなく、あなた自身のコミュニケーションの明確さも向上させます。
2. 複雑な合意形成はテキストで進める
重要な議論や合意形成は、できるだけ会話だけでなくテキストでも行いましょう。Slack・メール・チケット管理ツールなどを活用すれば、英語に慣れていないメンバーも時間をかけて読み、考え、複雑な議論に参加できます。(多くの人は口頭でのコミュニケーションよりテキストでのコミュニケーションの方が得意です)最終的な合意事項もテキストに残すことで、後から確認でき、誤解を減らすことができます。
3. 沈黙を恐れない
英語を第二言語として使う人は、頭の中で母国語と英語を行き来するため、返答に時間がかかることがあります。急かさず待ちましょう。また、相槌を打つことで「話を理解している」と伝えられます。
4. お互いの要望をしっかり伝える
一方的な配慮ではなく、互いの要望を共有することが大切です。
- 例えば「特定の言語だけでの議論を進めないでほしい」
- 「わからないことがあれば、その場でわからないと言ってほしい」
こうした要望を共有することで、より開かれた議論が可能になります。コミュニケーションは一方的な適応ではなく、互いに歩み寄ることが重要です。
5. 努力を認める
完璧でなくても「伝えようとしている姿勢」に感謝を示しましょう。これは英語レベルに関わらず、安心感が生まれ、チーム全体のやり取りがスムーズになります。
最後に
英語環境での仕事は、誰にとっても挑戦です。母国語が英語でない人同士が英語でコミュニケーションを取ることは珍しいことではありません。
大切なのは、お互いの背景や状況を理解し合い、歩み寄ること。英語が完璧である必要はありません。重要なのは、多様な背景を持つメンバーが互いを尊重しながら、一緒に良いソフトウェアを作っていくことなのです。
もしあなたが「英語はある程度できるけど、完璧ではない」と思っているなら、それで十分です。ぜひ挑戦してみてください。