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日本で給与交渉する方法(エンジニア向け、2025年版)

日本のエンジニアとして給与交渉を行うための実践的なガイド。国内企業と外資系企業の違い、タイミング、実際に昇給を実現する戦略について解説します。

October 15, 202510 min read
日本で給与交渉する方法(エンジニア向け、2025年版)

日本で給与交渉する方法(エンジニア向け、2025年版)

日本のIT業界における給与アップに関して、変わらない真実が一つあります。

最も効率的な年収アップの方法は、今でも転職です。

でも、もし今の会社に留まりたい場合は?チームやマネージャー、プロジェクトが気に入っているなら? 転職せずに年収を上げることはできるのでしょうか?

日本における給与交渉の実態と、日系企業外資系企業での戦略の違いを見ていきましょう。


1. 日系企業における昇給の仕組み

多くの日系企業は固定の給与テーブル(給与テーブル)に基づいて運営されています。 昇給は、このテーブル内での評価点数によって決まり、個別の交渉で決まるわけではありません。

優秀な成績を収めても、昇進しない限り年3〜4%程度の昇給にとどまることがよくあります。

その理由は:

  • 評価制度が年功序列と公平性を重視して設計されている
  • 人事予算は年度ごとに事前承認される
  • 昇給は「等級変更」に紐づいており、個別の業績例外は認められない

つまり:

等級や役職が変わらない限り、成果を2倍にしても給与はほとんど上がりません。

典型的なパターン

ケース結果
良好な評価基本給+3%
次の等級への昇進+10〜20%
昇進なし変動なし、または+1〜2%

2. 外資系・グローバル企業での違い

Google、Indeed、Amazon、Metaなどの外資系・グローバルIT企業は、市場ベースの報酬モデルを採用しています。

ここでは、給与は年功序列ではなくスキル、インパクト、市場価値で決まります。

典型的な特徴:

  • 年次評価で10〜20%の差が生じることがある
  • 株式やストックオプションが含まれることが多い
  • 他社からのオファーを提示するカウンターオファーが一般的で尊重される

成果を出していたり、外部からオファーを受けていれば、人事と直接交渉できることが多く、 これは日系企業ではほぼ不可能なことです。


3. 辞めずに本当の昇給を得る2つの方法

(1) 昇進する — 等級を上げる

昇進は、構造的に新しい給与レンジに移る唯一の方法です。 等級が変われば、給与スケール全体が変わります。

昇進による平均昇給:+10〜20%

準備方法:

  • マネージャーに昇進基準を確認する
  • 部門横断プロジェクトで目に見える責任を取る
  • 評価シーズン前に具体的な成果を記録しておく

(2) 「給与調整」を交渉する

これは稀ですが、可能です。 役職変更なしで基本給を上げるには、明確で、データに基づいた理由が必要です。

以下のいずれかが必要です:

  • 市場ベンチマークデータ(外部サイトから取得した職種平均年収など)
  • 職務記述書を超える新しい責任の追加
  • 直接的なビジネスインパクトの証明(売上、コスト削減など)

公式の評価サイクルが始まるにマネージャーにアプローチしましょう。 評価が始まると、人事予算はすでに固定されています。


4. 交渉の適切なタイミング

日本ではタイミングがすべてです。

会社の評価シーズン(通常2〜3月または8〜9月)のに昇給について話し合いましょう。

評価が確定すると、どんなに理解のあるマネージャーでも助けられません。次のサイクルまで「凍結」されます。

ベストプラクティス:

  1. 早めにデータを集め、ケースを準備する
  2. マネージャーと個別の1on1を持つ
  3. まず間接的に聞いてみる:

    「ここでは給与調整はどのように決まりますか?」 「今回のサイクルで報酬を見直すことは可能でしょうか?」


5. 外部オファーを活用する(賢い方法)

社内での昇給要求がうまくいかない場合、外部からの評価は強力です。

例:

  • 現在の年収:1000万円
  • 外部オファー:1500万円
  • 社内カウンターオファー:1200〜1300万円(引き留めたい場合)

辞める必要はありません。市場価値を示すことで会話が変わります。

丁寧かつ透明性を持って伝えましょう:

「他社からX円程度のオファーをいただきましたが、今の仕事がとても気に入っています。 調整の余地があるかどうか確認させていただきたく思います。」

企業は、冷静でデータに基づいた交渉を尊重します。脅しではありません。


6. 市場価値を本当に高めるもの

真実:スキル、希少性、責任範囲が給与を決めるのであって、「努力」ではありません。

例:

職種年収レンジ(2025年)理由
機械学習エンジニア1200万〜2000万円高い希少性
フルスタックエンジニア(React + Go)900万〜1500万円需要の高いスタック
バイリンガルPM / テックリード1000万〜1800万円横断的リーダーシップ
QA / テスター500万〜800万円標準化され、レバレッジが低い

昇給を求めるだけでなく、レバレッジを構築しましょう:

  • 需要が高く供給の少ないスキルを学ぶ
  • コミュニケーションやバイリンガル能力を向上させる
  • 測定可能なビジネス成果の責任を取る

7. 給与交渉のための丁寧なフレーズ

英語が通じる環境でも、トーンは重要です。 以下は、給与について話すための丁寧でプロフェッショナルな表現です:

「現在の報酬が、私の役割と貢献に見合っているか確認したいと思っています。」

「市場データと最近リードしたプロジェクトを踏まえ、報酬レベルを見直していただけないかと考えています。」

「チームと共に成長を続けていきたいと考えており、給与が自分の責任を反映しているか確認したく思います。」

決して「deserve(当然もらうべき)」という言葉は使わないでください。日本のビジネス文化では対立的に聞こえます。 代わりに**「align(合わせる)」「reflect(反映する)」「review(見直す)」**を使いましょう。


8. 重要なポイントまとめ

ヒントなぜ効果的か
市場データを調べるレバレッジと自信を得られる
評価前にタイミングを合わせる人事予算に柔軟性がある
冷静かつ丁寧に文化的に効果的
すべて記録するマネージャーの仕事を楽にする
希少なスキルを構築する長期的な昇給の倍率となる

9. 最後に

日本では給与の成長は遅いですが、不可能ではありません。 年次評価だけに頼ることはできませんが、適切なタイミング、態度、レバレッジがあれば、 間違いなく数字を動かすことができます。

「誰もあなたの給与を代わりに上げてくれません。 何も言わなければ、何も変わりません。」

プロフェッショナルに、データを準備し、早めに会話を始めましょう。

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